続 今日の英語

はてなダイアリーで地味に続けていた「今日の英語」の続き。日常出会った気になる英語表現を、オンライン辞書の例文などとともにメモしています。

Mel, I can go over your head.

(メル、僕は直接上(アラン)に話をするぞ。)
 60年代米コメディドラマ「The Dick Van Dyke Show」より。ロブたちの出したコメディの原稿を、番組のメインコメディアンで一番のボス、アランに見せる前に却下しようとするプロデューサーのメル。自信のある原稿を、アランに見せてダメだったのなら話はわかるけど、見せる前に書き直しだなんて納得できない!とメルに食ってかかったヘッドライターのロブのセリフ。

  • "go over one's head" で「〜の頭を越して行く」…つまり、手順を踏まずに、直接上と交渉する、直訴する、関わりある人をとばして話をする、ということ。
    • Why did you go over my head. You could have come to me and we could have discussed your son's problem.
    • I really don't want to go over her head but if she won't listen to me I have no choice.
    • I would occasionally go over my manager's head to complain to the top financial officer.
  • 似た表現に"cut through the red tape"っていうのがあるが、こちらは「○○を越して」の「○○」が個人ではなくてお役所的手続きそのものになる。"the red tape" が「官僚的形式主義, お役所ふうの面倒な手続き・慣例」を指すため。
    • The new rules should help cut the red tape for farmers.
  • ドラマではメルがハゲ頭なのをいつも揶揄するロブの同僚(正確には部下?)のバディが、ロブのこのセリフ(go over your head)のあとにすかさず「気をつけろよ!つるっとすべっちまうかも知れんぞ。」と一言(笑)。
  • また、"over someone's head"には「〜の理解を超えて」という意味もある。
    • The explanation went completely over my head.
    • The discussion was over my head, I'm afraid.
    • She was being sarcastic, but he took her seriously — the joke totally went over his head.(sarcastic:あざけりの、皮肉たっぷりな)